Our Weight, Wait Hour
Acrylic, oil pastel and aerosol paint on canvas
今よりも多かったはずなのに妊婦の絵画はなかなか見ないな、と美術史を覗いてみると、視覚的にタブーとされていた過去があった。一転して堂々と祝福される現代では、命を宿す体にも自由が広がった。
「いつかは」とか言っていた私も知らない間に30代になっている。具体的な時間軸と医学の進歩。ひしひしと感じる圧や漠然とした不安。そんな選択の手前にいる私が描いた、選択の手前の女性たち。
世間が言う”クォーターライフクライシス”に一括りにされればそれまでだけど、グラデーションのような分岐点が目前にある。ゴールを定めずキャンバス上でレイヤーを重ねていく今回の制作過程はまさに選択の積み重ねとも言える。作品では「これが現時点での正解だ」とすんなり割り切れるのはなぜだろう。
喜びの表現は目にする一方、多様な選択に至るまでの思いや、複雑な背景が表に出ることは多くない。そんな不透明なストーリーを見つめ、具象と抽象の間を行き来しながら、個々の決断の重さと美しさを描く。
2024
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Solo Exhibition "Our Weight, Wait Hour"
https://keeenue.com/blogs/news/our-weight-wait-hour